国内盤レビュー

経済の空洞化が進んで、これからの日本は超ヤバイ!!依然とした音楽界の慣習的な横並び意識、そして均質化に叛旗を揚げろ!

火曜日, 10月 26, 2004

バビロン・システム
 民族音楽と政治~喜納昌吉とOKI~

国内盤レビューに負けず劣らずアクが強そうなアーティストを紹介するぜ!そいつは最近方々の音楽サイトで時々目にするアイヌ音楽のミュージシャン、OKI
彼はトンコリという5本弦のアイヌの弦楽器(元々はシャーマニズムの祭具、参照:OKHOTSK)の演奏者で、よく沖縄の喜納昌吉と一緒にイヴェントをしています。


喜納昌吉は、平和を祈願するイヴェントを毎年のように行い、沖縄やアイヌ、そして世界の少数民族を招いて伝統芸能同士のセッションを行っています。(オフィシャルサイトで試聴可能

喜納昌吉と言えば、以前このサイトで参院選当選の話題で取り上げた際にいろいろ調べていて、北朝鮮とのつながりが非常に強いアーティストである、ということが発覚したのですが(参照:喜納昌吉候補は「よど号」犯人の支援者 )、喜納昌吉はなんとよど号事件に関わったメンバーを日本に返したがっている、という事実があります。さらによど号乗っ取り犯で元赤軍派メンバー、田中義三容疑者(51)の娘(21)が、生まれ育った平壌で作詞・作曲した「山を見ても星を見ても」を自らのアルバムに収録しています(googleよりZakzakの記事のキャッシュ)。試聴はこちらから。

彼は、沖縄の米軍基地をなくするために、朝鮮半島の安定化は不可欠であるという見地からこのような行動を取っているとのことですが、我々は彼を受け入れるべきなのでしょうか。例えば、新幹線に乗っても車両のごみ箱が使えなくなっていたり、対テロ!対テロ!とぴりぴりしている今の世の中で、こういう彼の行動っておかしくないでしょうか? 沖縄音楽の伝統を引き継ぐ代表的な存在で人気者、平和イヴェントを主催し、世界平和音楽賞を受賞していて、 さらに参議院議員。 しかし、恐るべき、
ここまでやられると、一体誰が面と向かって昌吉を非難できるのか。

さらに彼はデビュー前、ヘロインで一度懲役を食らっているのですが、そのことについても民主党の幹部に参院選出馬に際してこれを問題にされなかそうで、大胆にも喜納昌吉、今年のTrue people celebration 2004出演時に
「前科があったのに、当選したのは私が初めて」
とのたまい、ネタにしていたそうです。
ところで個人的なことですが、この頃集めていた民族音楽のCDをいろいろ時間のある時に聴き直してたんですが、おもしろいものとそうでないものが僕にとってどこら辺で分かれるか考えていたんですね。モダンなスタイルを通って民族音楽を演奏しているタイプ(例えばオーソドックスなロックバンドの意識で演奏している)と全くそうでない伝統まっしぐらなタイプの演奏家というのがあって(大体好きなのは後者)、それで現在ビートニク世代のフリーラヴ的な思想がいかに世界的な規模で影響を与えているのか、そういったことに注目して聴いていたんですよ。

それで、そういう視点で見ると、喜納昌吉は明らかにビートニク世代のミュージシャンだろうし、彼の行動はそういった青年期を通ってあるものなのだな、という風に僕には思えます。
それで話をアイヌ音楽のミュージシャンOKIに戻すと、彼は、元々映像関係の仕事をしていて、ボブ・マーリーが好き。日本人とアイヌ人の間に生まれたそうですが、30歳ぐらいまでアイヌに関わる活動も音楽もやっていなかったそうです。アイヌ文化をまず守ろう、というところからの出発ではなくて、アイヌの音楽をやるきっかけが喜納昌吉だったり、発想の仕方がレゲエだったりするんです。

彼がインタビューで言っていることには、以下のようなものがあります
>>「喜納昌吉とか沖縄の人がやっているんだから、お前も何かこれでやってみろ」と。

>>レゲエで言う「バビロン・システム」じゃないですか。昨年のワールド・トレード・センターの事件(米・同時多発テロ)の根本にあるもの。ボブ・マーリーが「バビロン・マスト・フォール」と言ったでしょ。

>>今のアイヌって、生まれたら近所にコンビニがあって、山を崩してダムを造ってその公共工事で生きている。これってアイヌ問題であるより先に、日本全体の問題でしょ。アイヌ民族運動の矛盾点です。

>>俺は日本人には自分たちの文化のことは教わりたくねぇよ、ってのがあって…俺が嫌なのは、アイヌの文化を勉強しようと思っても、アイヌ語べらべらの講師というのが日本人の先生なの


自分たちの民族の音楽のことばかり考えている視野の狭くなる、それも問題ですが、アイヌ音楽のことを考えるのに、いきなりジャマイカのレゲエの話を通るわけです。 日本で、バビロン・システムの話なんかしたってどれだけの人が理解できるのか、もうここら辺は受け手のことはそっちのけなわけです。

ミュージシャンが政治や思想の話をする時は、わざわざ昔のロックをもう1度参照しなければいけないルールでもあるんですか?

そういえば喜納昌吉は、沖縄で女の子を口説くときは地元の言葉では格好悪いと見られるから、標準語で口説く、ってラジオ番組で話していたことがありました。「かっこわる~」と思ったことがあったのですが、

おそらく自分の生まれを大切にしようという気持ちが強すぎて、一方で日本のスタンダードに対するコンプレックスもあるのかな、と思います。とにかく目茶目茶くどくなっている。

ともかく、アイヌの文化と一口に言っても、北海道からカムチャッカ半島まで交易で行き来していたというだけあって様々なおもしろいものが広い地域に分布してるので(特に今興味があるのは口琴や声に対する捉え方とか)、今後もっと国内盤レビューで取り上げていきたいですね。

参考資料
特集・アイヌの文化に触れる 
Beats21 Archive - アイヌ・ミュージシャンのOKI、国後の「ムネオハウス」訪問

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